肌の健康について考える皮膚科学において、精神皮膚科学という分野があることをご存知でしょうか。
最近の研究では、脳と皮膚は密接に関わっていることが分かっており、精神皮膚科学では、心理学による精神的な分野を、あらゆる皮膚症状に応用するという研究が行われています。
しかし、その研究の中では、ストレスなどのマイナス的な感情が、皮膚に悪影響を及ぼすという実験結果も多く報告されています。そこで、ストレスが肌に与える具体的な悪影響や仕組みについて、お伝えしようと思います。
ストレスよる肌への悪影響と仕組み
現代の日本で働く女性の多くは、ストレスとは切っても切れない関係にあります。
実際に、20歳から59歳の女性1041人を対象とした意識調査では、働いている女性の81.8%がストレスを感じているというデータがあります。
つまり、働く女性の8割以上が、ストレスによる肌へのリスクを抱えているということになります。具体的には次のようなものです。
ストレスによるホルモンの変化
ストレスが身体に与える悪影響には、ストレスホルモン、性ホルモン(女性ホルモン・男性ホルモン)、成長ホルモンなどのホルモンが大きく関係しています。
ストレスホルモンとは
ストレスホルモンとは、ストレッサー(ストレスの要因)からストレスを受けた際に分泌されるホルモンの総称です。ストレスホルモンが増えると、イライラしたり、血圧が上がるなどのストレス反応があります。
この仕組みは人が生活していく上では非常にわずらわしく感じるかもしれませんが、ストレッサーという害のあるものから身を護るきっかけとなる役割があるため、体の仕組みとしてはとても重要なものといえます。
しかし、ストレスを長い期間受け続けると、その仕組みはバランスが取れなくなり、身体に様々な炎症や疾患がおきてしまいます。
特に、コルチゾールというホルモンは、その中でも代表的なストレスホルモンの一種で、その影響の範囲は肌も例外ではありません。
コルチゾールは体内で増えると免疫機能を弱めてしまう作用があるため、免疫器官の一つである皮膚もバリア機能が弱まってしまいます。
また、肌のうるおいを保つフィラグリンという成分を減少させる作用も確認されているため、肌が乾燥する原因にもなるのです。
他にも、次で説明する男性ホルモンの分泌が増加したり、成長ホルモンの分泌が抑えられたりするため、ストレスホルモンの肌への影響力は非常に強いといえます。
性ホルモン(女性ホルモン・男性ホルモン)とは
性ホルモンとは、女性ホルモン、男性ホルモンに分けることができるホルモンです。男女ともに両方とも持ち合わせているホルモンですが、女性は男性よりも女性ホルモンが多く、男性は女性よりも男性ホルモンが多くなります。
なぜなら、これらのホルモンは、それぞれの性別にあった体型・健康の維持に大きく関わってくるからです。具体的には次のような特徴があります。
女性ホルモン
- 女性らしい身体をつくる
- 妊娠に対応した身体づくり
- 髪や肌の調子を良くする
- 体温を高く保つ、など
男性ホルモン
- 男性らしい身体をつくる
- 筋肉量の向上・維持
- 体毛を濃くする
- 性欲の上昇、など
性別によって、これらのホルモンバランスは異なりますが、女性の場合はストレスによって男性ホルモンが増え、バランスが崩れやすい状態になります。
男性ホルモンが増えると、女性であっても一時的に男性の特徴が強くなり、身体の毛が濃くなるなど、オス化が見られることがあります。
そして、それは肌にも影響を与えます。
例えば、男性ホルモンが増加することで肌に分泌される皮脂が多くなり、肌の水分量や天然保湿因子(NMF)とのモイスチャーバランスが崩れるなどの影響があります。
(実際に、ある実験では、精神的ストレスを与えた被験者の皮脂分泌量が、ストレスを与えていない被験者に比べ、約1.7倍にも増加したという研究データがあります。)
これは皮脂をエサにするアクネ菌などの増殖を助けてしまうため、ニキビができる原因につながります。また、時間がたった皮脂は酸化するため、肌のくすみになる可能性もでてくるのです。
これらの影響を抑えるためにも、肌の調子を良くする女性ホルモンの分泌を大切にし、ストレスによるホルモンバランスの崩壊を防ぐ必要があるのです。
成長ホルモンとは
成長ホルモンとは、子供が大人の身体になるために必要なホルモンの一つですが、大人になっても重要な存在です。なぜなら、身体の代謝に大きく関わっているホルモンだからです。
肌の新陳代謝(ターンオーバー)もそのうちの一つです。成長ホルモンの分泌が阻害されると、紫外線や乾燥などでダメージを受けた肌がそのままの状態で残ってしまい、肌の老化につながります。
成長ホルモンの分泌は睡眠時に盛んに行われますが、ストレスを感じているときは、身体がストレッサーに対して臨戦態勢となるため、交感神経(運動時に活発化する自律神経)が優位となってしまい、なかなか寝付けなくなります。
そのため、成長ホルモンの分泌量も減ることとなり、肌の代謝も悪くなってしまうのです。成長ホルモンはエイジングケアには欠かせないホルモンですので、ストレスで睡眠を阻害しないように注意しましょう。
ストレスによる腸内環境の乱れ
ストレスによって生じるホルモンへの影響について説明してきましたが、ストレスは腸内環境にも影響を与えます。そして、その原因は自律神経にあるといわれています。
腸などの消化器官の働きを担っているのは、副交感神経(休息時に活発化する自律神経)であるため、ストレスによって交感神経が優位になってしまうと、その機能が弱まってしまいます。
胃腸の働きが弱まると、腸内環境が悪化することになり、便秘などの症状が出るほか、肌にもくすみ、乾燥、ニキビなどの悪影響が出やすくなります。
これらの肌への影響は、腸内環境の悪化が、腸内で有害な菌を増殖させてしまうことが原因だといわれています。
有害な菌は、活性酸素などの害のある物質を発生させてしまうため、それが血液に混じって体全体へと運ばれるため、ターンオーバーが遅れたり、肌が老化するなどの症状がでてしまうのです。
ストレスの主な原因と対策
ストレスを受けている状態が続いてしまうと、ホルモンの変化を始めとする、様々な身体の不調があらわれるため、ストレスをためないようにすることが重要です。
しかし、ストレスがたまりやすい環境で働く現代人にとっては、それが大きな課題となることもあります。そこでスキンケアの観点から、日々の生活で陥りがちなストレスへの対処方法をご紹介します。
会社や人間関係でのストレス
仕事には面倒なことがつきものです。人間関係、仕事量の多さ、パワハラ・セクハラなど、細かいものを上げればきりがないほど、ストレスの原因は私達の身近に数多く存在します。
それに伴い、職場でのストレスが、肌荒れ・肌トラブルの原因になっていると自覚している人も多いようです。
多くの人にとって、仕事は生きていくために必要なことですので、そのストレスから開放されることは難しいですが、考え方の転換や習慣を変えることで、軽減させることはできます。
例えば人間関係では、自分の感情を押し殺しながら他人にすべて合わせていると、大きなストレスを負うことになります。
過剰な協調性にとらわれすぎてしまうと、日々のストレスは溜まる一方ですので、周りのことだけでなく、自分のマイペースな部分も同じくらい大切に考えてあげるようにしましょう。
また、これは人間関係だけでなく、仕事の失敗で落ち込んだときにも言えることです。過ぎた失敗にとらわれすぎてしまうと、頭を切り替えることができず、前に進むことができなくなります。
仕事は常に100%のちからで、真面目に努力し続けるだけでは、どこかでパンクしてしまいます。
例えば、スケジュールの時間は余裕をもって設定することや、最低限の自分のプライベートの時間は大切にすること、他人の言葉を鵜呑みにしすぎないことなど、自分の中でルールを決めて、常に余裕をもたせた仕事ができるように心がけましょう。
イライラしてしまう性格
ストレスは、たまりやすい人と、そうでない人がいます。いつもイライラを感じているという人は、普通の人ならなんとも思わないことでも、過剰に反応してしまってストレスを感じている可能性があります。
慢性的にストレスを感じていると、肌への悪影響も気づかないうちに徐々に大きくなってしまうため注意が必要です。特に以下のような性格に当てはまる人は要注意です。
真面目で頑張りすぎる人
自分の仕事は責任を持って行うことは非常に大切なことですが、細かいことにこだわって完璧を目指しすぎる人がいます。常に厳しい基準で自己評価してしまうと、自分が納得できる成功体験が少なくなってしまうため、ストレスが蓄積しがちです。
自分に自信がない人
自分の評価が極端に低く、他人に対しても気を使ってばかりいる人です。他人にどう思われているかについてや、将来のことについてなど、不安を感じる機会が多くなるため、ストレスがたまりやすくなります。
相手に過度に期待する人
自分が簡単にできることは他の人もできて当然だと考えたり、自分の常識を押し付けたりする人がいます。世の中には様々な人がいますが、「これはできて当然。」、「こうするのが普通。」など、自分の考えが先行してしまうと、相手が期待通りの行動をとらなかった際にストレスがたまります。
深く考えすぎてしまう人
些細な失敗で大きく落ち込んだり、相手の悪気のない言葉を邪推して捉えたりなど、小さなことでも大げさに考えてしまう人です。周りから見ると大したことではなくても、本人が重く考えてしまうと、重い問題を抱えているときと同じような精神状態が続いてしまい、ストレスを感じます。
これらのストレスを感じやすい性格に共通することは、自分の考え方が主な原因となっている点です。
自分の中で、「完璧に行う必要がある」「自分はダメな人間だ」「相手はこうするべきだ」「これは大きな問題だ」という概念を自ら作り出してしまい、その結果、自分自身にストレスを与えてしまっているのです。
真面目な性格や、思慮深い性格は一見良さそうな性格にも見えますが、過剰になりすぎるのであれば、ストレスのリスクを背負っていることになるため、その考え方を変えていくのも一つの方法といえます。
日々の生活の中でストレスを感じた際は一度、何が原因なのか考えてみましょう。
無意識に完璧を目指しすぎてはいないか、他人の考えに縛られてはいないか、他人に期待しすぎてはいないか、ネガティブに考えすぎてはいないかなど、振り返って考える時間をつくるようにすると良いでしょう。
ストレスと栄養不足の関係
ストレスというものは、意図せず勝手に感じるものではありますが、身体はストレスを感じるためにエネルギーを消費してしまうため、栄養不足につながることがあります。
栄養不足は肌の健康にも大きく影響を与えるものですので、ストレスを感じているときにはぜひとも摂取しておきたい、おすすめの栄養素をご紹介します。
ストレスによるビタミンCの不足
ストレスを受けると、ストレスホルモンが分泌されますが、そのホルモンの一つにアドレナリンがあります。アドレナリンは、興奮系のホルモンとして有名ですが、体温を上げたり、脈拍を速くするなど、ストレスに対抗しようとする役割があります。
しかし、このアドレナリンをつくるために大量のビタミンCが必要となるため、常にイライラしている人はビタミンC不足に陥りがちです。
ビタミンCには抗酸化作用もあり、肌に非常に良い成分ですので、イライラしやすい人は積極的に摂取することをおすすめします。
ビタミンCを摂るには、野菜や果物が最適ですが、余分なビタミンCは2~3時間で排出されてしまうため、少量をこまめに摂ることが望ましいとされています。
サプリメントは手軽で摂取しやすいというメリットがありますが、一度に大量に摂取してしまうと排出量も多くなってしまうため、あまり適していないかもしれません。
ストレスによるたんぱく質の不足
たんぱく質も、ビタミンC同様、ストレスホルモンや神経伝達物質をつくる際に必要になる成分です。
たんぱく質は、ヒトの身体をつくる大切な成分であり、皮膚や髪もそのうちの一つであるため、美容にも欠かせない栄養素といえます。
タンパク質を豊富に含むものは、やはり肉類ですが、魚や大豆などのヘルシーな食べ物もありますので、毎日の食事に取り入れるようにしましょう。
ビタミンAで免疫力アップ
ストレス反応には様々な症状がありますが、免疫力の低下もそのうちの一つです。免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなったり体調を崩しやすくなったりするので、そんなときにはビタミンAの摂取がおすすめです。
ビタミンAは粘膜を強化して免疫力を向上させるだけでなく、皮膚の健康を維持するためにも使われる栄養素です。新陳代謝を促し、ニキビや肌荒れにも働きかけてくれます。
ビタミンAを多く含む食べ物は、人参やレバー、ほうれん草などが代表的です。他にも卵黄や牛乳、トマトなどもビタミンAを効果的に摂取することができます。
また、ビタミンAを摂取する際は油を使った料理が最適です。脂溶性のビタミンであるため、油と一緒に摂ることで体内への吸収率がアップします。
ちなみに、「イライラしているときはカルシウムが不足している」という話がありますが、これは間違いだそうです。血中のカルシウムが不足すると間接的にイライラを引き起こす可能性はあるようですが、不足した分は骨から補われているため、血中のカルシウムは基本的に不足しないそうです。
まとめ
最近のスキンケアは、肌の研究が進んでいるため、紫外線や乾燥から肌を守り、保湿効果や美容効果に優れた化粧品が非常に多く普及しています。
しかし、肌の健康を損なう原因はそれだけではありません。日々の肌ケアだけでは改善しにくい、ストレスによる肌荒れにも注意が必要です。
ストレスは現代人にとっては大きな課題の一つですが、考え方の転換や工夫によって和らげることは可能です。現在、肌トラブルで悩んでいる方は特に、メンタルヘルスという観点から、一度習慣を見直しみると良いかもしれません。
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